テロ特措法は延長できるか、政界再編成のカギを握るテロ特措法

テロ特措法延長に反対、民主・小沢代表が米大使に言明

民主党の小沢一郎代表は07年8月8日午後、テロ特措法延長に関して民主党本部で米国のシーファー駐日大使と初めて会談しました。


小沢代表と米駐日大使の会談


席上、シーファー大使は、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長を認めるよう要請。これに対し、小沢氏は「(米軍などの活動は)国連で直接的にオーソライズした(認めた)ものではない」と述べ、テロ特措法延長に反対する考えを示しました。

テロ特措法は、アフガニスタンでのテロとの戦いを支援するため、インド洋で海上自衛隊が米英軍艦艇などへ給油支援を行う根拠法。

会談の中でシーファー大使は、「日本の役割は重要だ。引き続き参加して貢献してほしい。(小沢氏の)決断に必要な情報があれば、機密情報を含め、どんなものでも提供する準備がある」と述べました。

小沢氏は憲法9条で自衛隊派遣に制約があることを説明した上で、「ブッシュ大統領は国際社会の合意を待たずに米国独自で戦争を始めた。米軍を中心とした作戦には参加できない」などと強調しました。
(以上「時事通信」引用)

アメリカの思惑


この会談はいくつかのきわめて重要なポイントを含んでいます。まず、米駐日大使側が小沢代表にアプローチしてきたこと。米国は次期政権が安倍首相あるいは自民党でないケースを想定しているのです。おそらく日本の戦後政治にとってはじめてのことです。

次に小沢氏の決断に必要な情報があれば、機密情報を含め、どんなものでも提供する準備があると米駐日大使が述べたことです。破格の扱いですね。

このアメリカのアプローチに対して、小沢代表はテロ特措法延長に明確に反対の意思表示をしたのです。この会談はきわめて日本の将来にとって重要です。日本は新しい道を歩きはじめたと私は感じます。

テロ特措法は有効だったのか?

参院の与野党逆転で、テロ特措法の延長に注目が集まっています。参院では野党が過半数を占め、小沢代表がテロ特措法延長に明確に反対を宣言しており、参院での可決が困難な情勢であることが原因です。


テロ特措法への自民・民主のスタンス


テロ特措法は、インド洋への海上自衛隊派遣の根拠となっている時限立法です。11月1日で期限が切れてしまいます。もし、延長されず11月1日で期限が切れると、海自は撤収せざるをえず、今月(07年8月)末召集予定の臨時国会で焦点となるテーマです。

参院選で圧勝した民主党はテロ特措法延長に反対を唱えています。しかし、寄合い所帯の民主党は、この問題に関して一枚岩ではなく、党内に異論があります、たとえば前原前代表はこの件に関して個人的な意見と断った上で、賛成をしています。

自民党は民主党の分裂をねらって、テロ特措法の延長問題を故意にぶつけようとしています。テロを野放しにできないのはもちろんです。半面、政府はテロ特措法がテロの抑え込みに役立っているのか、国民に対して詳しい説明をまったくしてこなかったのです。この問題は自民党にとっても両刃の刃なのです。

テロ特措法延長の行方


小泉さんがテロ対策よりも対米協力を第一に、強引に制定した法律ではないか、そんな疑問が最初からくすぶっている法律です。政府の明快な見解と説明がない限り、延長を認めるわけにはいかないのではないでしょうか。

ここで、とりわけ民主党のこの問題に対するスタンスがカギをにぎります。参院で第一党となった民主党の小沢代表は、延長に反対する意向を示しています。

テロとの戦いの先頭に立つ米国は気が気でないでしょう。シーファー駐日米大使が8日、延長に向け、小沢代表と会談することになりました。小沢代表は特措法延長に反対の姿勢を明確にするものと思われます。
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テロ特措法の制定の背景と論争

テロ特措法は2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件の発生を契機として、アメリカがアフガニスタンを報復攻撃する対テロ戦争の後方支援を定めた法律です。アメリカの報復をいち早く支持した小泉純一郎政権下で可決・成立しました。

テロ特措法後の自衛隊の活動


公布直後に海上自衛隊がインド洋に派遣され、護衛艦(イージス艦)によるレーダー支援や、補給艦による米海軍艦艇などへの給油活動が行われています。この活動が戦争放棄を国是に掲げてきた日本のすべきことかは数多くの論争を巻き起こしました。

当初は2年間の時限立法でしたが、これまで3回の改正を重ね、派遣を続けてきました。しかし、イランのフセイン政権は倒されましたが、アフガンの治安は回復していません。むしろ、タガが外れ、混迷をきたしているといえます。旧政権タリバンは韓国人の拉致・殺害事件を起こすなど再び息を吹き返しています。

米英軍の活動はアフガンの和平に寄与したのか


米英軍などの活動がアフガンの復興にどう役立ち、テロ根絶にどれだけ貢献したのか? 民主党はもの点を明確にするよう指摘いますが、現状の検証もせず、出口の構想も描かないまま派遣を続けることには説得力がありません。あの戦争は誤りであった、というのはすでに歴史的認識です。これを認めない日本政府は、国際的な立場では異端です。こんな小泉さんにいまだに人気が集まるのは不思議です。大衆はバカなのか…

自衛隊の海外派遣は、明確に憲法違反です。自衛艦近くにいる米艦が攻撃されたとき、自衛艦が一緒に反撃した場合、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権の行使になる可能性が高いのです。だから、安倍さんは戦後レジームの解消を図り、憲法改正を目指し、それは国民との約束だと政権続投を決めたのでしょうが、誰がいつ約束したのでしょう? 安倍政権は一度も国民の信任を得ていません。

海上自衛隊がこのままインド洋で活動を続けていいのか、撤収させるべきなのか。国会できちんとした討議の後に、テロ特措法延長の可否が決められることが望まれます。
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テロ特措法延長反対に小池防衛相が小沢氏批判

小池百合子防衛相は07年8月7日夜(日本時間8日午前)、日米防衛首脳会談などに出席のため民間機でワシントンに到着しました。防衛相は同市内で記者団に対し、民主党の小沢一郎代表が11月に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に反対していることについて「テロとの戦いの流れの中でわが国の役割がどうあるべきかを考えなければ、政局第一となってしまう」と厳しく批判しました。
(以上「時事通信」引用)


テロ特措法延長に対する民主党の対応


一方、民主党の小沢一郎代表は7日、参院選後初めての記者会見で、政府・与党との妥協を否定し、安倍政権と徹底対決する姿勢を鮮明にしました。また、テロ対策特別措置法延長反対に加え、先の通常国会で廃案となったイラク復興支援特措法廃止法案の再提出も「(選択肢の)一つだろう」と述べました。

小沢氏は会見の中で、「(政府・与党と)基本的な考え方の異なるものについて、『話し合う』とか『協調』するとしたら、それは足して2で割る話だ。(政治とは)そういう性格のものではない」と述べました。

これに関連して、小沢氏は会見に先立つ両院総会で、「気を付けなければならないのは、マスコミや世間でも言われる『責任を果たす』の意味だ。足して2で割る与野党談合は国民の要請ではない」と強調しました。さらに「選挙戦で、国民生活を無視した自公の政治を変えると言ってきた。参院第一党が(独自法案を可決して)国民の目に見える形で対応するのが非常に大事だ。主戦場は参院になる」と述べました。
(産経新聞より抜粋)

テロ特措法延長以外の民主党の戦略


民主党は、今国会に年金保険料の流用を禁止する法案を提出する方針です。小沢代表は記者会見で、秋の臨時国会に政治資金規正法改正案や、「戸別所得補償制度」実現の第一弾として農業関連の基本法案を提出する考えも示しました。郵政民営化凍結法案への対応についても近く結論を出すことを明らかにしました。

小沢代表は、衆院選をにらみ、郵政票を握る国民新党と連携しつつ、郵政民営化への潜在的反対派議員を抱える自民党を揺さぶるねらいがありそうです。どうもおぼっちゃん安倍首相では、豪腕小沢に太刀打ちできそうにありません。この秋、国会から目が放せそうにありません。
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そもそもテロ特措法とは?(1)

テロ特措法とは、正式には「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年11月2日法律第113号)」という名称の法律です。

たいへん長い名称なので、「テロ対策特別措置法」あるいは「テロ特措法」と略称で呼ばれることが一般的です。


テロ特措法の目的


 この法律は、
1)  平成13年9月11日に米国で発生したテロリストによる攻撃(「テロ攻撃」)が国連安保理決議第1368号において国際の平和と安全に対する脅威と認められたことを踏まえ、2)  あわせて、安保理決議第1267号、第1269号、第1333号その他の安保理決議が、国際テロリズムの行為を非難し、国連加盟国に対しその防止等のために適切な措置をとるよう求めていることにかんがみ、
 我が国が国際的なテロリズムの防止・根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するため、次の事項を定め、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。
・  テロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的達成に寄与する米国等の軍隊等(「諸外国の軍隊等」)の活動に対して我が国が実施する措置等
・  国連決議又は国際連合等の要請に基づき、我が国が人道的精神に基づいて実施する措置等

テロ特措法の基本原則


(1) 政府は、協力支援活動、捜索救助活動、被災民救援活動その他の必要な措置(「対応措置」)の適切かつ迅速な実施により、国際的なテロリズムの防止・根絶のための国際社会の取組に我が国として積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に努める。
(2) 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
(3) 以下の地域において対応措置を実施する。
1)  我が国領域
2)  現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域
・ 公海及びその上空
・ 外国の領域(当該外国の同意がある場合に限る。)
(4) 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
(5) 関係行政機関の長は、対応措置の実施に関し、相互に協力する。

この(3)2) 項が国会審議において問題となった箇所です。『現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域』とはどこか、との野党の質問を、そんなもの、総理である私が知っているわけがない、と小泉さんは無茶な答弁で強引に乗り切りましたね。
タグ:テロ特措法

そもそもテロ特措法とは?(2)

テロ特措法が定める日本の活動


(1) 協力支援活動
1)  諸外国の軍隊等に対する物品・役務の提供、便宜の供与その他の措置。
2)  自衛隊を含む関係行政機関が実施する。
3)  自衛隊が行う物品・役務の提供の種類は、補給、輸送、修理・整備、医療、通信、空港・港湾業務、基地業務。(ただし、武器・弾薬の補給、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油・整備及び外国の領域における武器・弾薬の陸上輸送は行わない。)
(2) 捜索救助活動
1)  戦闘行為によって遭難した戦闘参加者(戦闘参加者以外の遭難者が在るときは、これを含む。)の捜索・救助を行う活動。
2)  自衛隊の部隊等が実施する。
3)  捜索救助活動の実施に伴う協力支援活動としての物品・役務の提供の種類は、補給、輸送、修理・整備、医療、通信、宿泊、消毒。(ただし、武器・弾薬の補給、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油・整備及び外国の領域における武器・弾薬の陸上輸送は行わない。)
(3) 被災民救援活動
1)  テロ攻撃に関連した国連決議又は国際連合等の要請に基づき、被災民を救援するために実施する、食糧・衣料・医薬品等の生活関連物資の輸送、医療その他の人道的精神に基づく活動。
2)  自衛隊を含む関係行政機関が実施する。
(4) その他の必要な措置
1)  例えば、自衛隊による在外邦人等輸送にあたり外国人も輸送すること
2)  自衛隊を含む関係行政機関が実施する。

自衛隊に認められているのは捜索・救援活動ですが、第1項に協力支援活動が規定されており、諸外国の軍隊との協力がうたわれており、戦闘行為にまきこまれる恐れは十分にあります。

テロ特措法が定める基本計画


(1) 閣議決定される基本計画には、対応措置に関する基本方針のほか、上記4に掲げる各活動に関し、その種類・内容、実施する区域の範囲等を定める。
(2) 対応措置を外国の領域で実施する場合には、当該外国政府と協議して、実施する区域の範囲を定める。
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そもそもテロ特措法とは?(3)

テロ特措法が定める対応措置の実施等


(1) 防衛庁長官は、基本計画に従い、実施要項において具体的な実施区域を指定し、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等に協力支援活動としての物品・役務の提供、捜索救助活動及び被災民救援活動の実施を命ずる。また、対応措置の中断・休止に関する事項を規定する。
(2) 上記(1)のほか、防衛庁長官その他の関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施する。

防衛庁長官が活動のすべてを決定できます。総理大臣の承認は必要なものの、国会の事前承認は不要です。

テロ特措法が定める物品の無償貸付及び譲与


 内閣総理大臣、各省大臣等は、その所管に属する物品(武器・弾薬を除く。)につき、諸外国の軍隊等又は国際連合等からその活動の用に供するため当該物品の無償貸付又は譲与を求める旨の申し出があった場合、当該活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、所掌事務に支障を生じない限度において、当該申し出に係る物品を無償で貸し付け、又は譲与することができる。

テロ特措法が定める国会の承認・国会への報告


(1) 内閣総理大臣は、自衛隊の部隊等による協力支援活動、捜索救助活動又は被災民救援活動を開始した日から二十日以内に国会に付議して(国会が閉会中又は衆議院が解散している場合には、その後最初に召集される国会において速やかに)、これらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない
政府は、不承認の議決があったときは、速やかに、当該活動を終了させなければならない。 
(2) 内閣総理大臣は、基本計画の決定・変更があったときはその内容を、また、基本計画に定める対応措置が終了したときはその結果を、遅滞なく国会に報告しなければならない。

テロ特措法の国会承認はこの項が規定する通り、事後承認でいいのです。
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そもそもテロ特措法とは?(4)

テロ特措法が定める武器の使用


(1) 自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命・身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。
(2) 武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、原則としてその命令によらなければならない。この場合、上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命・身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、武器の使用が適正に行われることを確保する見地から必要な命令をする。
(3) 武器の使用に際し、正当防衛又は緊急避難に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。
(注) 自衛隊法第95条(武器等防護のための武器使用)は適用する。

これが武器の使用を許容する条項です。自衛のための武器使用のみを認めています。

テロ特措法が定めるその他


(1) この法律は、公布の日から施行する。
(2) この法律を受けて、自衛隊がその任務遂行に支障を生じない限度において協力支援活動等を実施できる旨を自衛隊法に規定する。
(3) この法律は、施行の日から4年で効力を失うが、必要がある場合、別に法律で定めるところにより、2年以内の期間を定めて効力を延長することができる。(再延長においても同様。)

この項の規定により、平成13年11月2日に制定されたテロ特措法は、4年経過した平成17年11月に期限を迎え、1回めの延長が行われ、今回平成19年11月で2年が経過して2回めの延長が行われることとなります。これが参院逆転で民主党が反対すれば参院で議決できず、衆院にもどされた議案を強行採決すれば、衆院解散は必至、というのが現状です。
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